ヨセフへのお告げ

 クリスマスと言えば、プレゼントをもらえることを楽しみに心待ちにしていいる子どもが多いことでしょうね。でも、クリスマスの本当の意味をどれだけの人が知っているでしょう。

 今日の聖書の箇所は、教会でクリスマスに行われるページェントにもよく出てくる有名なお話です。ヨセフさんはマリアさんと婚約(結婚の約束)をしていました。ところが、結婚をする前に、マリアさんのおなかに赤ちゃんがいることが分かったのです。ヨセフさんは、その赤ちゃんが自分の子どもではないこと、そしてマリアさんに自分以外の結婚したい男の人がいること、婚約者を裏切ったマリアさんは石打ちの刑にされることなどを知り、とても苦しみ、悲しんでいました。

 優しく正しい心の持ち主であったヨセフさんは、マリアさんのことは誰にも知られないようにして、ひそかに別れようとしました。マリアさんを大切に思うから、自分が身を引こうとしたのでした。そんな時、夢の中で、主の天使が現れました。そして、「マリアのおなかの子は、聖霊によって宿ったのである。その子をイエスと名付けなさい。」というお告げがありました。イエスと言うのは、ヘブライ語でヨシュア「主は救い」という意味です。

 ところで、ヨセフの夢に、主の天使が現れた意味について考えてみましょう。神さまはその時その時にその人にふさわしい方法で寄り添ってくださるのです。とても悩んでいたヨセフは、天使の言葉を信じ、天使に導かれてイエスさまの父として生きていくことを決心しました。始めは、別れるつもりだったヨセフが、主の使いによって、マリアと共に歩むという道に導かれました。それは、また、神さまの御業のために仕えるという道でもあったのです。そういう道を歩むように、ヨセフは変えられたのでした。

 このお話は、2000年も前のお話ですが、イエスさまの誕生により、神さまが共におられる(インマヌエル)という約束がされ、今でもその約束のありがたさを味わいながら、わたしたちは、生かされています。わたしたちが厳しい道を歩む時も誤った道を歩んでしまった時でさえも、この約束は消えることなく、私たちを支えてくださるのです。

 使徒言行録に、「受けるより与える方がいい。」というみ言葉があります。クリスマスにプレゼントをもらえるという楽しみもいいものです。でも、イエスさまを送っていただいた喜びを周りの多くの人たちに伝えていくことができるクリスマスにしていきたいものですね。