出エジプト記14章19~25節
今日のお話の場面は、アメリカで映画になったこともある有名なお話です。先週お話のあった過越の出来事の後、イスラエルの人々を解放したエジプト王ファラオでしたが、貴重な労働力を失ったことに気が付き、もう一度、イスラエルの人々を呼び戻すと心を翻しました。そして、自らが指揮を執り、エジプト中の戦車と軍勢を引き連れて、全軍で追い始めました。イスラエルの人々は、その夜、海の近くで宿営をしていました。前には海、後ろにはエジプトの軍隊が迫ってきます。たいへんなことになっていることに気付きました。
その時、神さまは、イスラエルの人々の先頭にあった雲の柱を、エジプト軍との間に移動させ、エジプト軍が進むのを妨げました。そして、モーセは、海に向かって杖と手を広げると、夜中じゅう東風が吹き、なんとそこの海が裂け、道ができたのです。イスラエルの人々が半分くらい海を渡ったところで、ファラオの軍も海にできた道を渡り、近づき始めました。夜明け前の出来事でしたが、エジプト軍の戦車は、神さまによってかき乱され、車輪を外された戦車は、そこで立往生をしていました。そして、イスラエルの人々がすべて渡り終えた時のことでした。モーセが海に向かって手を差し伸べると、海が元に戻り、海の底の道を進んでいたエジプトの軍勢は、壊滅してしまったのです。
今日の場面は、イスラエルの人々にとって、絶体絶命といっていい場面だと思います。その時、神さまは、「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。」とモーセに言われました。心の中の嵐をまずおさめなさいということでしょう。文語体の聖書「詩編」46章10節には、「汝ら静まり、我の神たるを知れ」というみ言葉があります。どんな困難が待ち受けていようと、神さまの声に聞き従おうではないでしょうか。困難を前にするとソワソワしたりおろおろしたりしてしまう私たちですが、そういう時こそ、キリストの声を聞きたいと思います。