思い悩むな

イエスさまが山の上でお弟子さんたちにお話しているとき、その足元には小さな野の花がいっぱい咲き、空には鳥たちがさえずりながら飛んでいました。イエスさまは言われました。
「自分の命のことで何を食べようか何を飲もうかと、また自分の体のことで何を着ようかと思い悩むな。命は食べ物より大切であり、体は衣服より大切ではないか」と。
何を食べようか何を着ようかと思い悩むというのは、あれを食べようかこれを食べようか、あれを着ようかこれを着ようかと悩むことではありません。明日、食べるものがなくなったらどうしよう、着るものがなくなったらどうしよう、と自分の命の不安をかかえてしまうことです。食べ物や着る物以外にも不安になる思い悩みはたくさんあります。子どもから大人になるにつれて、いろんなことができるようになって悩みがなくなるどころか、自分でやらなくてはいけない、決めなくてはいけないことが増えてくるように思います。イエスさまはこのように思い悩むわたしたちにも言われるのです。イエスさまは思い悩み、不安の中にいるわたしたちのことも知っていてくださって、み言葉を通して教えてくださっています。イエスさまは、ここで、くよくよ考えても仕方がないよ、何とかなるよと気休めを話されているのではありません。思い悩む、つまり神さまのことを忘れてしまっているわたしたちに、神さまの方を向きなさいと教えてくださっているのです。
「空の鳥をよく見なさい。種もまかず刈り入れもせず倉に納めもしないけれど神さまは養っておられる。」「野の花を見なさい。働きもせず糸もつむがないけれど神さまは美しく咲かせてくださっている。」
神さまは空の鳥も野の花も大切にしておられます。それ以上にわたしたち人間は鳥や花よりも価値あるものとして特別に造られています。神さまは本当にわたしたちを愛し、大切に思ってくださっているのです。そして必要なものをみなわたしたちに与えていのちを生かしてくださっているのです。だから、何を食べようか何を飲もうか、何を着ようかと思い悩むことはないのです。イエスさまは続けて言われていました。
「何よりもまず、神の国と神の義を求めなさい。そうすれば神さまは必要なものをみな与えてくださる。だから明日のことまで思い悩むな。その日の苦労はその日一日だけで十分である。」と。
まず神さまに心を向けて神さまの愛を信じて、神さまにすべてお委ねしなさいと言われています。そうするとき、思い悩みから解放されて、元気に歩んでいけるのです。今日一日も神さまがちゃんと私たちを支え導いてくださっていることに感謝して、この週も過ごしていきたいと思います。