8月15日CS礼拝説教「12人を伝道に派遣する」

 ある病院にて勤務されるチャプレンさんのお話です。その病院に一人の男の人が入院されました。がっしりした体格の、見た目は少し怖そうな人でした。痛みや不安ゆえのことでしょう。に、その人は、周りの人からの「お辛いですね。」という言葉がけに対して、「何が辛いのか言ってみろ。」というようなとげのある言葉を返してしまうことがあったそうです。その人は、お墓も自分で買い、死後の準備もされていたそうです。その人が、ある時、「チャプレンに会いたい。」と看護師に告げたそうなのです。

 チャプレンは、その人と、聖書の絵本を読んだそうです。その中に、十字架の絵がありました。「イエスさまは、何も悪いことをしていないのに、みんなを天国に入れるために、全ての罪をかぶって地獄へ行く。」そのような話しをしていた時、その男の人は、急に泣き始めたそうです。その方は、泣いたことなどない人物だったそうで、なぜ自分が泣いたのか、わからなかったそうです。そして、その人は、洗礼を受けられ、その後、亡くなられました。

 そのチャプレンは、わたしたちに、こんなことを教えてくださいました。イエスさまは、ご自分で旅をして、天国のことや神さまのこと、わたしたち人間は罪を持っていることを伝えていきました。でも、イエスさまは、直接にご自分が伝えるだけでなく、「あなたたちも、伝えてね」という使命をわたしたちに与えてくださいました。わたしたちは、普段の生活の中では、天国のことや神さまのことをお話しすることは、なかなかできません。しかし、そんな場面を、天国や神さまについてお話しする場面を、わたしたちにも与えてくださる時が来るというのです。このチャプレンが勤務先の病院で、ある男の人にお話ししたように、わたしたちにも、お話をする場面を与えてくださるというのです。

 イエスさまから遣わされた12人の弟子たちは、悪霊を追い出したり、病人を癒したりしました。この世の中には、たくさんの人がいて、いっしょに生活しています。辛い運命の中であえいだり、病気に苦しんでいる人もたくさんいます。その中に、わたしたちがいるということは、すばらしいことなのだそうです。わたしたちには、イエスさまによって、すばらしい使命を果たすことができる力を与えられているということを自覚したいと思います。そして、喜びと感謝をもって自分に与えられた世界で、誠実に生活していきたいと感じた今日の説教でした。