「神さまに信頼するダニエルさん」

 ダニエル書6章1~29節 

 寺島牧師

今日のお話は、たくさんのライオンさんがいる動物の中に放り込まれたダニエルさんがライオンに噛まれるほどなく洞窟から引き上げられたというとても不思議な話です。でも、聖書の一番最後のところに何て書いてあったかっていうと神を信頼していたからである。ダニエルさんがたくさんいるライオンの中に放り込まれても、噛まれもせず、食い殺されることもなく、無事だったのは、たまたま偶然のことではなくて、それはダニエルさんが神さまを信頼していたからである。そのように書いているのですね。

でも、このダニエルさんという人、あんまり聞かないね。でもとても苦労した人なんです。この人、元々はユダという国に生まれて、そこで生活をしていた人でした。けれどもダニエルさんが少年の時にバビロニアというとても大きな国が突然ユダの国を攻めてきて、いろんな財産やたくさんの人がバビロニアに無理やり連れていかれました。バビロニアの王さまは、見かけもよくて頭も優秀な少年を自分に仕えるものと選びなさいと命令しました。そこで選ばれたのがダニエルさんだったのです。ダニエルさんは心配しました。でもダニエルさんは神さまに信頼して遠い遠い異国の地で生活することにしました。神さまが一緒にいてくださったからです。

このバビロニアという国もいろんなことがありました。大変なことがあり、王さまも何人も変わりました。けれども、ダニエルさんは、神さまに信頼をして、そして自分に与えられた務めを誠実に果たして、バビロニアの王さまにとても喜ばれて受け入れられました。それで今日の聖書を見るとこの時にも王さまが変わったんです。ペルシャという国が攻めてきて今度はペルシャの王さまになってしまったのです。ペルシャという国は大きな国でしたから120人の総督を置いていました。その120人の総督の話を聞く役目を与えられたのです。そして、ダニエルさんは、王さまに総督さんから聞いたいろんな情報を伝える役目を誠実に果たしました。

ところが、ダニエルさんはね、なんでもできる人でしたから。ほかの人たちから妬まれたのです。「なんだ、あいつ。一つこらしめてやる。」といってダニエルさん以外のほかの大臣たちは相談して、ダニエルさんをわざと悪者にして、ライオンのいるところに放り込み、殺してしまおうとしました。それで、王さまに進言したんです。「王さま以外にの人や神さまにお祈りをささげる人がいたら、すぐライオンのいる洞窟に放り込んでください。それが王さまにとってとても良いことです。」そのように勧め、王さまにそれを認めさせて書面にサインをさせました。それを知っていたダニエルさんでしたけど、ダニエルさんは天地を造られたただお一人の神さまだけを信じて、神さまに信頼をして生きてきた人ですからそんなことにはお構いなく、きちんと仕事をして、おうちに帰ると自分の故郷であるエルサレムの方に向かってお祈りして、賛美をして、神さまを礼拝しました。それを見つけた家来達が「あっ。あのダニエルは王さまが命令したことに背いた。悪いやつだ。」と報告し、ダニエルさんは捕まってしまいました。王さまはダニエルさんをとても気に入ってました。なんとかして助けてやりたいと思ったけれども自分がインした手前、これをひっくり返すことができないんです。なくなくダニエルさんをライオンのいる洞窟に放り込むことを認めました。しかし、王さまはとってもそのことで心を痛めて、ダニエルさんにこう言いましたね。「お前がいつも拝んでいる神がお前を救って下さるだろう。」王さまは、藁にもすがる思いで、ダニエルさんが無事に助かるようにと願ったのです。ダニエルさんは、たくさんいっぱいライオンという洞窟の中に放り込まれました。その晩、王さまはとっても心を痛めて宮殿に帰ったんですけれど、食事ものどを通りません。なんとかダニエルさんが無事であるように祈って、一夜を過ごしました。

そして、次の朝。ダニエルさんが放り込まれた洞窟に行きました。ここで不思議なことが起こっていました。普通だったらライオンがたくさんいるところに放り込まれたら助かることはない。ところが、王さまが「ダニエル。大丈夫か?」そしたら、声が聞こえてきたんです。ダニエルさんはこう言いました。「王さまがいつまでも生きながらえられますように。神さまが天使を送って獅子の口を閉ざしてくださいましたので、私は何の危害も受けませんでした。神さまに対する私の無実が認められたのです。そして王さま。あなた様に対しても背いたことはございません。」

王さまはとっても喜んでダニエルさんを引き上げました。最後になりますが、なぜダニエルさんが助かったのでしょう。それはダニエルさんが神さまを信頼していたからです。今日の話はここまでです。不思議な話ですが、神さまに信頼をしていたからダニエルさんはライオンに食べられることはありませんでした。今日のお話をしていて、私はいろんなことを考えさせられました。私たちも一生懸命に真面目に生きていても、とてもつらいことや苦しいことやどうして自分が?って思うようなことが結構起こってきます。みなさんが大人になっていく中で、一生懸命真面目にやってきたのに、それがむくわれないことや誤解されることやどうしても受け入れられないことがあるかもしれません。病気になることだってあるかもしれないし、苦しいことや、辛いことが人間の人生の中にあります。でもその中で覚えておいてほしいことは、どんなときも皆さんにこうして命を与え、生かしてくださっておられる天の父なる神さまがみなさんと一緒にいてくださいます。そんな神さまのことを忘れないで、神さまが一緒に居ることを信じて生活していると必ず道が拓かれます。皆さんに命を与え、そして大切な人を用意して一緒に歩んでいきましょうと言ってくださる神さまが、皆さんの人生を最後までいてくださいます。今日のお話は、そういう神さまに信頼をして生きたダニエルさんという人の話でした。