10月19日

祈りとイエス」
 寺島謙牧師
 ルカによる福音書 5章12~16節 

主イエス・キリストがその短い御生涯の中で絶えず祈られたことを聖書は伝えている。特にルカによる福音書を読むと、主が祈りの人であったことが良く分かる。しかも祈られるときは、弟子達や群衆から離れてお一人で祈られたのである。今日の聖書の最後にも、「だが、イエスは人里離れた所に退いて祈っておられた」と書かれている。何故、わざわざ人里離れた場所に退いて祈られたのであろうか。聖書には、主が退かれる前に、全身重い皮膚病にかかった人を癒されたことが書かれている。「主よ、御心ならば、わたしを清くすることがおできになります」とひれ伏して懇顕する人を、主は「よろしい。清くなれ」と言われて癒されたのである。それで主イエスの噂が益々広がり、大勢の群衆が主の元に押し寄せたのであった。ところが、主はその群衆を避けるようにして、人里離れた場所に退かれて祈られたのである。それは、重い皮膚病を癒して清くしたのは、天の父なる神の力である事を知っておられたからである。そして全ての人間を罪から救うために、御自分が遣わされたことを主は自覚しておられたのである。そのために、御自分の元に押し寄せる全ての者のために、主はこの時、一人で神に祈られたのである。