「主に仕える」

ヨシュア記24章13~15節

400年にわたって奴隷生活を強いられてきたイスラエルの民を率い、エジプトからの脱出を導いたモーセさんは、年を取って死にました。目的地であるカナンの地にはたどり着く目前のことでした。そして、偉大なモーセさんの後を引き継ぐ指導者として神さまから選ばれたのが、ヨシュアさんでした。神さまは大きな使命を与えられて不安を感じているヨシュアさんに、どんなときにもわたしがあなたと共にいるからと約束され、ヨシュアさんを勇気づけ、励まし、支え続けられました。「強く、雄々しくあれ。私がこの民の先祖に誓い、今この民に与える地を、彼らに受け継がせるのはあなただからだ」このような言葉によって、神さまはモーセをリーダーとして立ち上がらせたのでした。

ヨシュアさんは、イスラエルの人々をエリコの町からカナンに導き入れました。城壁に囲まれたエリコの町を通り抜けた時のお話が、先週、千都子先生からありましたね。ところで、エジプトを脱出してから40年以上も経って、とうとうカナンにたどり着いたイスラエルの人々ですが、400年もエジプトにいたために、アブラハムが神さまからあなたに与えると約束されたカナンの地にはカナン人たちが住んでいました。ヨシュアさんは神さまにお祈りして、力をいただきながら、カナン人と闘い、カナンの地にイスラエルの人たちが住めるようにと導きました。イスラエルは十二の部族に分かれていましたので、ヨシュアさんは住むところを十二に分けて、それぞれの部族が住むところをくじ引きによって決めました。

ヨシュアさんが110歳になった時のことです。死ぬときが近いことを知ったヨシュアさんは、十二部族をシケムに集めました。シケムは、四百年前に、アブラハムが、大きな樫の木のそばに石を積んで祭壇を築き、礼拝をささげたところです。

そのシケムに、今イスラエル十二部族が集まって礼拝をしています。ヨシュアさんは言いました。
「わたしたちの先祖はユーフラテス川の向こうに住み、神々に仕えていました。神さまはそこから彼らをカナンの地に導かれました。大飢饉のためにヤコブとその子たちはエジプトに下って行きました。神さまはエジプトでの奴隷生活から救い出して、再びカナンの地に連れ戻してくださいました。カナンの地での今日の平和な生活はすべて神さまからいただいたものです。神さまはこれからもイスラエルを守ってくださいます。」
このようにイスラエルの民がアブラハムのころから神さまに守られ導かれてきた歴史について話をします。
「だから、あなたたちは、色々な神さまを拝むのではなく、先祖の時代から今日に至るまで、わたしたちを導き守ってくださっているただお一人のまことの神さまだけを信じて仕えなさい。」

しかし、ヨシュアさんはこのことを無理矢理に押しつけようとはしませんでした。
「あなたたちが仕えたい神さまを、自分で選びなさい。ただし、わたしとわたしの家は主に仕えます」と言いました。これを聞いたみんなは答えました。「ただおひとりの神さまを捨てて、ほかの神々に仕えることなどするはずがありません。わたしたちも主に仕え、その声に聞き従います。」このようにして、イスラエルの十二部族の民は、ただお一人のまことの神さまだけを信じて仕えるという決心(約束)をしたのでした。これがシケム契約と呼ばれています。