「イエスさまのおたんじょう」
ルカによる福音書1章1~7節
先ほど聖書を読んでもらいました。アウグストゥスと呼ばれるローマの皇帝から、「登録せよ」と命令が出たのです。それで世界中の人々が、自分たちが生まれた町や村に帰っていったのです。ヨセフさんは身重のマリアさんと一緒にガリラヤのナザレという町から、ユダヤのべツレヘムという町へ向かって出かけました。ようやくべツレヘムに到着したのですが、泊まる宿屋がありません。それでヨセフさんとマリアさんは家畜小屋に泊まったのです。そしてしばらくしていると赤ちゃんが生まれました。この赤ちゃんこそイエスさまです。
家畜小屋は本当に暗かったのです。そして人々が暮らしていた世界も真っ暗でした。明日を生きる希望が人々にはなかったからです。希望がないと人は生きていけません。私たちは毎日どこに希望があるか探しながら歩んでいます。でもなかなか希望は見つかりません。健康に生活することが希望だと思っても病気になります。お金が沢山あればと思っても、お金ではどうしても解決しないことは幾らでもあります。一生懸命勉強をして良い学校、良い会社に入っても報われないこともあります。私たちは年を重ねて体が衰えていきます。明日もしかしたら自分の命を取り上げられるかもしれません。私たちを生かしてくれる本当の希望がこの地上の何処にもないことが段々と分かってきます。
すると私たちを明るく照らす本当の希望は何であるかというと、イエスさまです。イエスさまは神さまの子です。神さまはその大切な独り子のイエスさまを、私たちにお与えになって私たちと一緒に生きて下さることを約束して下さったのです。私たちを造り、一人一人に命をお与えになって生かして下さっておられるのは、天のお父さんである神さまです。神さまがいつでも、どのようなときにも私たちと共におられるのです。そして一緒に重荷を負われて歩んで下さるのです。苦しみの時も悲しみの時も、病の時も、老いの時も、そして死の時も神さまは必ず私たちと共におられます。そのしるしこそ、クリスマスにお生まれになったイエスさまです。やがてイエスさまは成長して大人になって、最後は十字架にお架かりになって死なれます。でも聖書には三日目に甦られたと書いてあります。イエスさまは復活されました。死の力によっても無くならない命がある、それが神さまが共におられるという希望だということを証明して下さいました。クリスマスは、神さまが私たちと共におられるという希望がイエスさまによって与えられた嬉しいときです。
今日、皆さんに是非覚えて欲しい聖書の言葉があります。「インマヌエル」です。その意味は「神は私たちと共におられる」です。インマヌエル「神は私たちと共におられる」この約束がクリスマスに実現しました。クリスマスをお祝いし、イエスさまを受け入れて自分に与えられた命を喜んで、感謝して生きていきたいと思います。