12月7日

人を裁くな」
寺島謙牧師
マタイによる福音書 7章1~6節 

 「人を裁くな」という主イエスの言葉である。何故このようなことを主が言われたのかというと、「あなたがたも裁かれないようにするためである」からだという。我々の生活を振り返ると、誰かを裁いたり、お互いに裁き合うことがいかに多いかを思わせられる。するとこれは、自分が他人から裁かれないために、「人を裁くな」と主は戒めておられるようにも聞こえるが、実はそうではない。主が言われた、「裁かれないようにするため」というのは受動態受動態で表されているが、主語が明らかにされない書き方になっている。旧約聖書では「神の名をみだりに唱えてはならない」という戒めがあるように、主は敢えて「神」という主語を隠して言われたのである。要するに「裁かれないために」というのは、神に我々自身が裁かれないためだということである。人間は皆、「罪」という返済不能な負債を抱えている。だが神は我々を裁かずに、御子の十字架という犠牲を払って赦して下さった。赦されたのであれば、何故他者を裁くのかと主は言われるのである。自分の目に丸太という大きな罪があることに気づかないで他人の罪を裁こうとする我々である。赦された者として、我々自身も他者を赦して、悔い改めへと導かねばならない。そのために、福音が神から与えられている。