「あなたがたに平和があるように」
4月20日礼拝説教 寺島謙牧師
ヨハネによる福音書20章19~23節
「週の初めの日の夕方」、すなわち日曜日の夕方の出来事である。主イエスの十字架の死の出来事に弟子達は皆、深い悲しみと失望感を覚えていた。と同時に大きな恐れに囚われていた。自分達も同じように命を奪われてしまうと思ったのである。それでユダヤ人を恐れて家の中に鍵をかけて息を潜めていた。既に主が甦られたという知らせを彼らも開いていたが、どうしても主の復活を信じることが出来なかった。それは死への恐れである。弟子達には死を乗り越えたり、克服する確かなもの、希望がなかったので、恐れ惑い部屋の中に閉じこもる他なかったのである。部屋に「鍵をかけていた」というのは、主の復活を信じようとしない弟子達の心の頑なさを表している。だが復活の主は弟子たちの心の扉を突き抜けて、死に打ち勝たれた救い主として御自身を顕された。そして「あなたがたに平和があるように」と言われた。真の平和とは、神が共におられる、主は生きておられる事実である。弟子達は復活の主と出会い、死によっても取り去られることのない確かな望みと救いを与えられ、主の証し人として生きる力を与えられたのである。