「燃える柴とモーセの召命」
出エジプト記3章1~14節
モーセは120年の生涯を送った人でしたが、その生涯は三っつの時期に分けることができます。一つ目が、誕生からエジプト人として成人するまでの時期、二つ目がエジプトを脱出し、ミディアンで過ごす時期、そして最後の三つ目が神の召しに従ってイスラエルの民を率いてカナンの土地を目指して歩んだ時期です。
最後の三っつ目の時期に、重大な出来事がモーセに起こります。今日のお話では、神との出会い、そして神の名が明らかにされるという出来事が起こったのです。
モーセがホレブの山に入っていった時、 炎の中にあるのに燃え尽きない柴があるのに気が付きました。そして、そこで彼は神さまからの召命を受けるのです。生涯がもう終わってもいいかなという年齢になってモーセは召命を受けます。神さまが必ずともにいてくださる。そのことだけを頼りに、イスラエルの民を救い出すというたいへんな使命を果たすために歩み続けたのです。
あの時にもこの時にも神はおられた。私たちは生きていく過程で自分がいろいろな決断を下していったように思っていますが、その決断は神さまの支えがあって下すことができたものだということが後になって分かってきます。私は、若い頃に別の教会に通っていましたが、そこで体調を崩したことがありました。礼拝中に苦しくなり、2階の部屋に運ばれて何日も唸りながら熱と格闘したのです。その熱が下がった時、私は、伝道者になろうと考えました。そして、その当時に勤めていた会社を辞めますと、社長さんに挨拶に行きました。しかし、その後迷います。その店で勤め、社長さんを助けることが私の使命であったはずだということに気付き、私はその店に戻っていきました。もし、あの時に牧師になろうとする決断を下し、牧師になっていたとしたら、私は今、野垂れ死にをしていたかもしれません。会社に残り、その後独立して今の仕事を始めたおかげで、私は故郷から両親を迎えることができ、洗礼を両親に受けてもらうことができました。この私を導いてくださったのも、モーセを導いたのと同じ神さまなのだということに、心から感謝しています。