8月25日

み言葉のそそぎ 説教題「隣人となる」 

ルカによる福音書 10章25~37節  磯村滋宏先生

「イエスは言われた。『もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。この青年はこの言葉を聞き、悲しみながら立ち去った。たくさんの財産を持っていたからである」(マタイによる福音書19章21,22節)。マルコもルカも伝える、この青年の物語は、マタイによる福音書独特の語り方で語られる。主イエスは青年に「もし完全になりたいのなら」と言われた。これはすぐに同じマタイによる福音書は伝えるみ言葉を思い起こさせる。「だから、あなたがたの天の父が完全であられるように、あなたがたも完全な者となりなさい」(5章磯節)。あの山上の説教の頂点をなす言葉である。青年と語り合われたのは律法についてである。律法に誠実に生きた青年に完全を求められた。主は律法や預言者の語る言葉の完成のために来られたのである(5華17節)。青年とも、主御自身の目的をめぐって語られている。それは、律法を守り、財産を大切にする青年の生活と対立する。それは天の国にふさわしい者として子どもたちを祝福することと重なる(19章14節)。青年は子どものように財産を手放すべきであったのではないか。

「み言葉の放つ光に生かされて(加藤常昭氏著)」より引用
* 上の文章は、本日の説教内容とは、直接関係はありません。