12月28日

ナザレのイエス」
寺島謙牧師
マタイによる福音書 2章19~23節 

 救い主がお生まれになったクリスマスの出来事の後のことが、本日の聖書箇所に書かれている。イエスの母マリアの夫であるヨセフは、主の天使の言葉に従ってエジプトに逃れた。占星術の学者たちに騙されたヘロデ王が幼子を探し出して殺そうとしていたからである。このヘロデの蛮行により、ベツレヘムとその周辺一帯にいた二歳以下の男の子達が巻き添えを食ってしまった。やがてヘロデが死ぬと再び主の天使がヨセフに現れ、イスラエルの地に戻るようにと命じたので、ヨセフは幼子とマリアと共に戻ったのであるが、ヘロデの息子のアルケラオがユダヤを支配していることを聞いて恐れた。だが夢で主の天使からお告げを受けたヨセフは、ガリラヤ地方に引きこもり、ナザレの町に行ってそこに住んだ。このことを聖書は、「『彼はナザレの人と呼ばれる』と、預言者たちを通して言われていたことが実現するためであった」と証言している。実は福音書記者マタイは、クリスマスの一連の出来事の中で繰り返して「主が預言者を通して言われていたことが実現するためであった」という言葉を用いている。受胎告知も然り、ヘロデの蛮行も然り、そして紆余曲折を経てナザレに身を置くことになったヨセフとその家族のことも然り、一切が神の御支配の中に覚えられていた。そこに主の真に深い慰めがある。