「ヤコブの祝福」

創世記 48章8~16節  

 今日はヤコブさんがおじいちゃんになって、重い病気になって、神様のもとに召される時が近づいた。ある日の話です。ヤコブさんは生まれる前からずっと神様の祝福を求めて生きた人でした。神様の祝福を受け取るためなら、どんなことでもする人でした。先々週に学びましたが、ヤコブさんは目が見えなくなっていたお父さんを騙して、双子だったお兄さんのエサウさんが受け継ぐはずの神様の祝福を奪い取りました。怒ったお兄さんから命を狙われたヤコブさんはおじさんのところに逃げて20年という間、おじさんの元でとても苦労して生活しました。そんな中でヤコブさんはおじさんの2人の娘と結婚し、11人の息子と1人の娘が与えられ、ついに故郷のカナンに帰ることになります。けれども、ヤコブさんはお兄さんのエサウさんが、また自分を殺そうとしているのではないかと不安でたまりませんでした。ヤコブさんは必死に祈ったことで、神様によってお兄さんとの仲直りに導かれたのでした。 

 ヤコブさんの人生の中で、よくないこと、困ったことが起きたときも、すべてをご存知の神様が解決へと導かれたのでした。それには、とても長い時間がかかりましたが、神様はヤコブさんを祝福され、失敗も乗り越えさせてくださいました。ヤコブさんには12人の子供がいましたが、その中でもヨセフという名の息子をヤコブさんはとても、とてもかわいがっていました。ある日、その大切なヨセフが突然いなくなりました。ちょうどその頃、ヨセフのお兄さんたちが、血のついた着物を見つけます。それはヤコブさんがヨセフのために特別に作ってあげた着物だったのです。ヤコブさんは、ヨセフは獣に襲われて死んでしまったに違いないと思いました。とても悲しく、つらい気持ちが何年も続きました。ところが、のちにそのヨセフが生きていて、しかもエジプトの大臣になっていることがわかりました。大飢饉の時にヨセフのお兄さんたちがエジプトに食べ物を買いに行くと、そこには大臣になったヨセフがいたのです。 神様は想像もつかないような形でヨセフさんを見守り続けておられました。そして、大飢饉で食べ物がなかったヤコブさんの家族みんなのことも助けられたのでした。 

 ヤコブさんはおじいさんになり、重い病気になりました。神様のもとに召される時が近づいていると、息子のヨセフに知らせが入り、ヨセフは2人の息子を連れてヤコブさんに会いに行きました。ヤコブさんはとても喜びました。大切な息子ヨセフにも孫たちにも、神様の祝福を届けたいと思っていたからです。ヤコブさんは自分の長い人生を振り返り、どんな時も神様から守られ、助けられてきたこと、祝福を受けたことを思い、それを息子や孫に伝えることが出来たのです。ヤコブさんにとって、一番高価でなくてはならないもの。それは、神様からの祝福でした。ヤコブさんは召される前にヨセフの2人の息子マナセとエフライムを自分の子供にしたいと申し出て祝福しました。ヤコブさんはその生涯を通して、神様の祝福は自分たちにとってなくてはならないものだということを実感し、それを息子、孫に引き継ぎました。 

 神様から祝福されて「イスラエル」という名を与えられたヤコブさんでしたが、そのヤコブんも常に正しい完璧な人ではありませんでした。良くないこと、神様に喜ばれない失敗もした人でした。そして、とても苦労することもありました。けれども神様はそんなヤコブさんのことを、そしてその家族のことも、見放すことなく、見守り続けられました。困ったことが起きたとき、ちゃんと道を用意してくださいました。神様の用意される道。それは私達には想像できないような道であることもあります。けれども、後になって振り返った時に、神様が用意された道は一番良い、一番確かな、間違いのない道であったとわかります。困ったことが起きたとき、悩むとき、解決の道がわからないとき、そんな時は、ヤコブさんのお話を思い出したいと思います。私たちにとって悪いことが起きている時もすべてご存知の神様が必ず良い道を備え、導いてくださると信じて歩みたいと思います。私たちはそれぞれに、どんなときにも神様からの祝福が与えられていることを信じたいと思います。そして、その神様の祝福ははっきり示され、受け取れる場所は教会です。だから、毎週の礼拝を大切に守りたいと思います。教会で、そこに集う一人一人を通して、多くの人に、子供達に、神様の祝福が伝えられますように祈ります。 

 神様、今日はヤコブさんのお話を通して、私たちにとって最も大切だ神様からの祝福について教えられ、感謝します。神様がどんな時も、私たちひとりひとりを祝福のうちに護り導いてくださっていることに感謝します。明日から二学期が始まろうとしています。また色々な出来事がある中ですが、子どもたちの健やかな成長をお守りください。