「神のぶどう園にて」
小島誠志先生
マタイによる福音書 20章1~16節
私が訳した『ゆうべの祈り』(日本基督教団出版局)という書物がある。クリストフ・ブルームハルトが、その共同体の仲間と共に祈った夜の祈りを記録したものである。自分で訳してから既に40年近く、毎日、夕食の席で家族と共に読み、自分たちの祈りとしてきた。いくつもの言葉がこころに刻まれている。たとえばこのような祈りである。
「われらはこの世で大いなることは何も望みません。ただあなたのみもとにあって子となりたいのです」。厳しい思いで過ごさなければならなかった日の家族との夕食の席で、このような言葉を読むと、私のこころは表現を越える深い慰めと喜びを覚えた。この祈りは、このような主イエスのみ言葉に応えた祈りであった。「そのとき、イエスはこう言われた。『天地の主である父よ、あなたをほめたためます。これらのことを知恵ある者や賢い者には隠して、幼子のような者にお示しになりました。そうです、父よ、これは御心に適うことでした』」(マタイによる福音書第11章25節以下)。
(「み言葉の放つ光に生かされて」加藤常昭氏著より引用)
*本日の説教内容とは関係ありません。