「飼い葉桶に生まれた救い主」
寺島謙牧師
ルカによる福音書 2章1~7節
福音書記者ルカは、クリスマスの出来事を歴史的事実と照らし合わせて記している。それが「皇帝アウグストクスから全額土の住民に、登録せよとの勅令が出た。これは、キリニウスがシリア州の総督であったときに行われた最初の住民登録である」。このようにルカは、イエス・キリストの誕生が紛れもない事実として世界史の中に起こったこと、そしてイエスこそ真の救い主であることを証明している。このことは今を生きる我々にとって慰めであり希望である。クリスマスから二千年以上が経ったが、依然として世界は混迷の中にある。争いや戦争が絶えず、権力者に翻弄されるしかない多くの民が存在する。住民登録のためにそれぞれ故郷に帰って行った多くの人々、そしてヨセフと身重のマリアは、我々自身である。我々もこの世に何一つ頼るものを持ち合わせていない無力な人間に過ぎない。だがこの闇の世に生きる全ての人間を救う真の救い主がお生まれになったことを聖書は今も証言している。ヨセフとマリアを泊める宿屋はなかったのは、救い主を人間は受け入れなかったことを意味する。しかし救い主は、人間の罪を越えて、家畜小屋の中の汚れた飼い葉桶の中に誕生した。飼い葉桶とは我々のことである。その貧しい汚れた私の中にキリストは来て下さった。
