エリアとバアルの預言者

列王記上18章30~40節

 今日のお話には、エリアさんという預言者が出てきます。預言者というのは、神さまの言葉を伝える役目をしていました。今日出てくるエリアさんがした一番有名なことが今日のお話です。それは、聖書に出てくる神さまと他の神さまのどちらが本当の神さまであるかということを明らかにするために、対決をしたのです。

 なぜ、対決する必要があったのかというと、今日の聖書に出てきたアハブ王に原因があります。アハブ王は、以前の誰よりも悪かったと聖書に書かれていますが、「ヤロブアムの罪」を犯したのです。ヤロブアムの罪というのは、昔、北の王国を治めていたヤロブアム王が、南の王国のエルサレムを礼拝しなくてもよいように、金で子牛を2つ造ったことにあります。本当の神さまがいらっしゃるのに、新しい神さまを勝手に造ったのです。そして、金の子牛を神さまとして礼拝させました。それが、「ヤロブアムの罪」です。列王記に出てくる王は、その罪を繰り返したのですが、アハブ王も同じくその罪を犯しました。そして、他の国の神さまであるバアルの神を拝み、その国からお嫁さんを迎えたのです。

 そこで、エリアは、アハブ王を連れてカルメル山に登り、対決することにしました。対決の相手は、バアルの神の預言者たちです。それぞれの神さまの祭壇にいけにえをささげ、信じている神さまにお願いをして火をつけていただくという対決でした。火が付いた方が本当の神さまであるということです。果たして、バアルの神さまは、預言者たちが大勢で周りで踊って火が付くのを待ちましたが、いつまでたっても火は付きませんでした。一方、エリアは、祭壇に水をたっぷりと掛け、いけにえをささげてお祈りをすると、主の火が降ってきてささげものを焼き、溝にあった水をもなめつくしたのでした。それで、本当の神さまがどちらであったかが分かったというお話です。

 わたしたちにとって、聖書の神さまと他の神さまのどちらが本当の神さまであるか、それをうまく説明することは難しいと思います。簡単に説得できるものではありません。しかし、私たちは、本当の神さまと一緒に生きています。聖書の中に出てくる神さまと生きているのです。その神さまによって、火がつくはずのないところで、火が付くという体験を私たちはしています。どうにもならないであろうという場面で、神さまによって助けていただくという体験をしているのです。だから私たちは、私たちの神さまが本当にいるんだよということをみんなに伝えていくことができるのです。