ルツの民と神

ルツ記 1章11~19節

 エルメレクとナオミの夫婦は、飢饉から逃れるため、ベツレヘムからモアブに行きました。しかし、エルメレクは死んでしまいます。ナオミの二人の息子は、そこで、オルパとルツと結婚しますが、その二人の息子も死んでしまい、ナオミとオルパ、ルツの女3人のみが残ってしまいました。これから、どうやって生きていけばよいのでしょう。

 飢饉が去り、ナオミは、ベツレヘムに帰ることにしました。二人の娘にナオミは、自分たちの家に帰りなさいと勧めます。そこで結婚して幸せになることを、ナオミは祈ったのです。しかし、ルツは、その勧めを受け入れませんでした。「あなたを見捨てて帰れなんて言わないでください。どんなことがあっても、ついていきます。」とルツは言いました。そして、「あなたの神は、私の神です。」とルツに言わせたのは、ナオミのひたむきな信仰でした。ナオミはルツにとって信頼できる母であったのです。ルツは、ナオミの神を信じ、ベツレヘムに向かうことにしました。

 ベツレヘムに着いてから、ルツは、畑に行き、落ち穂を拾って何んとか生活を続けようとしました。落ち穂は、誰が拾い集めてもよいことになっていました。麦畑でルツは一生懸命に落ち穂を拾いました。そこの畑の持ち主であるボアズは、そのルツのひたむきな姿を見て、パンや水を与えたり、農夫にわざとに麦の穂を落とさせてルツに拾わせたりしました。そのボアズですが、実はナオミの夫エルメレクの親戚だったのです。エルメレクの親戚であるボアズとルツを出会わせ、ナオミとルツの生活を支えたのはいったいだれだったのでしょう。

 このあと、ボアズとルツから、オベドが生まれ、エッサイ、そしてダビデと系図は続いていきます。そして、その系図は、イエス・キリストの誕生へと続いていくのです。ナオミとルツの同じ神さまを信じる信仰が、二人を結び付けました。そして、その信仰は、ナオミのどん底の悲しみを救い、イエス・キリストによる救いの実現へとつながっていったのです。