宰相ヨセフ

創世記45章1~8節

 ヨセフは、お父さんのイサクから特別に可愛がられた人でした。そのために、実のお兄さんたちからいじめられ、穴に落とされました。それを見つけた旅の人にエジプトに売られたのが、ヨセフが17歳の時でした。その後ヨセフはエジプトで過ごしましたが、ファラオの前に出た時には、30歳であったと聖書に書かれています。その間、13年の間に、ヨセフにはどんなことがあったのでしょう。

 エジプトで働き始めたヨセフでしたが、いろいろな苦労がありました。ある時は、働いていた家の奥さんのせいで牢屋に入れられたことがありました。一緒に牢に入っていた人の夢の解き明かしをしたこともありました。しかし、その人にはほっておかれてしまいましたが、牢屋の中で番をする役になるなど、活躍をしていました。いよいよファラオというエジプトの王様の前に出て、王様の夢を解き明かすことになりました。王様の夢とは、太った牛が7頭、やせた牛が7頭いて、やせた牛が太った牛を食べてしまうという夢でした。その夢をヨセフは解き明かしたのです。7年間食べ物が取れるが、その後の7年間は全く取れなくなるという解き明かしでした。ヨセフは、王様に今のうちによく食べ物を蓄えておくように進言しました。ヨセフはとても賢いので、王様は、ヨセフを一番重要な役である宰相という役につけたのでした。

 ところで、飢饉が続き、食べ物が全くなくなっていた時に、ヨセフの兄たち11人がエジプトにやってきました。そして、食べ物を分けてほしいと願ったのです。願った相手は、自分たちが見捨てた弟のヨセフだったのです。ヨセフから、「わたしは、ヨセフです。」と打ち明けられた時、兄弟たちは、きっと大変なことになった。これは、仕返しをされるかもしれないと思ったことでしょう。しかし、ヨセフは、「命を救うために、神がわたしをあなたたちより先におつかわしになったのです。」と言いました。ひどい目にあったけれど、それは、あなたたち兄のいじめのせいではなくて、神さまがそうしたのです。そにょうに兄たちに話したわけです。

 わたしたちは、人生を棒に振ったと嘆くことがあります。その時の私たちにはよくわかりませんが、ヨセフが兄たちにいじめられたことが、一家の命を救うことにつながっていたというこの聖書のみ言葉を覚えていてください。あなたの苦労には、こんな意味があったのですよということが分かる時があります。それは、私たちが、天国に入る時に、私たちには分かるのです。大きな視点をもつことの大切さを、神さまは教えてくださっていると感じた今日のお話でした。