創世記9章9~17節
聖書の中に虹が出てくるところは少ないのですが、今日読んだ「ノアの箱舟」のところには虹が出てきます。ところで、英語の聖書では、どのような言葉で書かれているでしょう。虹は、普通[Rainbow」と書きますね。ところが、英語の聖書では、「bow」としか書かれていません。「bow」とは、弓のこと。9章13節には、「すなわち雲の中にわたしの虹をおく。」と書かれていますが、これは、「わたしの弓、つまり神さまの弓をおく。」ということになります。
わたしたちは、虹を見る時、神さまが弓を置いたことを思い出すかもしれません。しかし、神さまは、聖書の中で「あなた方が思い出しなさい。」と書いているのではありません。「わたしは契約に心を留める。」と書かれているのです。つまり、神さまは、弓をおいた時に、「あなた方と交わした契約(約束)を思い出すからね。」と言われているのです。
では、神さまがしてくださった約束とは何でしょう。15節に「肉なるものを滅ぼすことは決してない。」と書かれています。かつて神さまは、生き物を滅ぼそうとしたことがあった。しかし、二度とそのようなことはしないと約束してくださったのです。けれど神さまは、心を痛めながら、この約束を思い出されています。6章5節に、洪水が起こった理由が書かれています。「人間は悪いことばかり心に思い計っている。地上に人を造ったことを後悔し、心を痛められた。」と書かれているのです。つまり、私たちが悪いことをした時、神さまは、心を痛められているのです。私たちは、人の心を痛めてしまうことがあります。人が大切にしているものをぐしゃぐしゃにしてしまうこともあります。そんな時、神さまは、心を痛められています。それでも神さまは、人間を滅ぼさないという約束を思い出してくださっているのです。それが、この虹なのです。
私たちも虹を見ることがありますね。そんな時には、神さまの声を聴きましょう。「わたしは、あなたたちを二度と傷つけたり滅ぼしたりすることはない。」その約束の声です。しかし、その時神さまは、ご自分の心を傷つけられていることを思い出しましょう。それでも、神さまは、「私たちを二度と滅ぼすことはしない。」と語り掛けてくださっているのですよ。