ペトロ、信仰を告白する

 イエスさまは、ガリラヤ湖の北にあるフィリポ・カイザリア地方の方々の町を訪ねられていました。今日のお話は、その時のものです。イエスさまは、弟子たちにお尋ねになりました。「人々はわたしのことを何者だと言っているか。」その質問に対して、弟子たちは、「ヨハネだと言っています。」「エリアだと言う人もいます。」そのように弟子たちは答えました。すると、イエスさまは、さらに尋ねられました。「あなた方は、わたしを何者だというのか。」すると、ペトロが答えました。「あなたは、メシアです。」その答えこそ、イエスさまが期待していた言葉でした。

 では、わたしたちが、もし同じように尋ねられたら、どう答えるでしょう。その時に、「イエス・キリストは、わたしの救い主です。」そのように答えられるようになるために、わたしたちも、教会生活を歩んでいます。マタイによる福音書には、「あなたは、メシアです。」と応えたペトロに対して、「あなたは幸いだ。あなたにこのことを現したのは、人間ではなく、天の父なのだ。」と言われました。イエス・キリストを「わたしの救い主だ。」と言えるのは、神さまの恵みによるものであり、人間の力や努力で得られるものではないことを、イエスさまは言われているのです。

 わたしたちの信仰は、試練に直面した時など、確信が薄れてしまうことがあります。しかし、そこで思いとどまり、見直すことで、イエスさまが救い主であり、神さまは永遠の父であるということを再度教えられることがあります。そして、それこそが、神さまの教えてくださる真理なのです。植村 正久さんというキリスト教の大指導者が残した言葉があります。それは、ペトロが信仰を言い表した今日の言葉を「これ、霊の死活問題なり」と言われました。霊とは、わたしたち自身のことです。イエス・キリストをどういう人と考えるかということは、自分の信仰の中核をなす大問題であり、「イエスさま、わたしの救い主です。」と答えられることの大切さを改めて学ぶことのできた今日の説教でした。