五千人の群衆がパンを与えられたという出来事の興奮が、まだ、冷めやまない翌朝、イエスさまは、お一人で山に登ろうとされました。そして、その前に、弟子たちを船に乗せ、向こう岸のベトサイダに向かわせたのでした。日が暮れ、向かい風が出てきました。船に乗った弟子たちは、前に進めません。ひどい嵐となり、船はもみくちゃとなりました。ペトロ・アンデレという元漁師の彼らがいくら漕いでも、船は進まないのです。彼らは、疲れ果て、このまま死んでしまうのではないかと不安になりました。
ところが、明け方ごろ、一人の男の人が、湖の上を歩いてこられ、弟子たちの船を通り過ぎようとされました。通り過ぎるというのは、神さまがご自身を表すことを示しているそうです。弟子たちは、幽霊が出たと思って、大騒ぎになりましたが、その男の人は、イエスさまだったのです。イエスさまが、「安心しなさい。私だ。恐れることはない。」とおっしゃると、風は静まり、弟子たちは、とてもおどろきました。
五千人のパンの出来事のあと、弟子たちは心が鈍くなっていました。イエスさまが、そんな弟子たちを強いて船に送り込ませたのは、試練を乗り越え、神さまを信じる信仰を確かにしてほしいというイエスさまの願いがあったからのようです。イエスさまは、弟子たちの姿を遠い山から見ておられたのです。私たちも、弟子たちのように、自分の人生に悩み、不安になることがあります。しかし、イエスさまは、必ず、見ていてくださるのです。私たちは、そのことになかなか気が付きません。しかし、神さまを信じて歩んでいけば、必ず、神さまは、道を拓いてくださるのです。
「安心して行きなさい。」最初の写真に写ったメッセージは、松山城東教会の元牧師、野村忠則先生の直筆だそうです。神さまは、そして、天に召された野村先生は、私たちを見ていてくださいます。そして、必ず、私たちを正しい道に導いてくださいます。そのことを信じて、どんな時でも、歩んでいきたいと感じた今日の説教でした。