「姦淫するな」
寺島謙牧師
マタイによる福音書 5章27~30節
ユダヤ人達は先祖のイスラエル民族以来、「姦淫してはならない」という戒めを含む十戒を遵守する生活を送ってきた。十戒は神がイスラエルの民にお与えになった神の言葉であったからに他ならない。前半は神とイスラエル(人間)との縦の関係について定められている。そして後半は人と人とが互いにどう生きるべきかについて定められている。つまり十戒は、神に象られた人間が神を神とし、共に暮らす隣人とどのよう向き合って生きなければならないかについて教えている。言うなれは人間の命について語られている。姦淫は夫婦の関係を破壊し家庭を崩壊させ、断絶をもたらす罪である。だが主は「みだらな思いで他人の妻を見る者はだれでも、既に心の中でその女を犯したのである」と教えられた。それは姦淫が人間同士の間の罪だけに留まらないことを表している。姦淫は、結婚を定められた神に対する背きであり罪である。実は、罪を全ての人間は抱えながら生きている。そして罪を犯し神の怒りと裁きを免れない者となっている。その罪が赦されなければ、人間の生活は決して救われることはない。