2023年10月29日

説教題 「唯一無二の救いのしるし」寺島謙牧師

マルコによる福音書8章11~13節

 ファリサイ派の人々が主イエスを試みるためにやって来た。そして「天からのしるしを求め、議論をしかけた」。「天からのしるし」とは、イエスが天の父なる神の元から来た救い主であることを証明する目に見えるしるしである。彼らは、自分の目で見て納得出来るものを提示してくれたら、信じてやってもいいと主を試したのである。だが主は何も答えずに、心の中で深く嘆かれた。「どうして、今の時代の者たちはしるしを欲しがるのだろう。はっきり言っておく。今の時代の者たちには、決してしるしは与えられない」。いつの時代であっても人間は目で見ることの出来るしるしを求める。そして見えないお方である神の存在を信じず、受け入れない。そこに人間の自己中心、自己絶対化、傲慢を生む罪が潜んでいる。罪の支払う報酬は死である。主は御自分を受け入れず、しるしを求める者達をそのままにして去られた。だが、やがて主は御自分が天から遣わされた救い主であることを明らかにするために、自ら十字架に架かり命を捨てて、神の御心を表された。十字架上のイエスこそ、神が全ての人間に示された救いのしるしに他ならない。。