「主よ、兄弟がわたしに対して罪を犯したなら、何回赦すべきでしょうか，七回までですか。」これは主イエスに対するペトロの切実な問いである。おそらくベトロは、「赦しなさい」という教えを、これまで何度も主から教えられてきたのであろう。だが何度まで赦してやれば良いか、思い悩んでいたに違いない。つまりペトロは、隣人に対する赦しがたい思いを強く抱いていたのである。だが主はペトロに、「七回どころか七の七十倍までも赦しなさい」とお答えになって、どこまでも赦せとお命じになった。そして主がペトロを含む弟子達全員に対して一つの誓えを話された。この誓えの主眼は、「わたしがお前を憐れんでやったように、お前も自分の仲間を憐れんでやるべきではなかったか」という御言葉にある。我々もまた神の憐れみによって赦された存在である。その赦された我々がどのように生きねばならないか。我々もまた隣人を赦し、憐れんで共に生きるのである。キリストの十字架の死によって、我々は赦され救われた。本当に赦された者だけが人を赦して愛することが出来るのである。