2023年4月30日

説教題 「恐れるな、わたしはあなたを贖う」寺島謙牧師

イザヤ書43章1節

 イザヤ書43華は、第ニイザヤと呼ばれる無名の預音者が記した預言書である。紀元前540年、神の民イスラエルは異国の地バビロニアで捕囚民として歩んでいた。いつ捕囚から解放され祖国エルサレムへ帰還出来るのか、全く先の見通せない絶望状況にあったイスラエルの民に、イザヤは次のように告げた。「ヤコブよ、あなたを創造された主はイスラエルよ、あなたを造られた主は」。イザヤは、神がこの厳しい現実の中におられることに目を向けさせる。本当の絶望は、捕囚という現実ではない。共にいましたもう神を見失い、希望を喪失し途方に暮れる他ない民の罪にあることをイザヤは指摘する。だが神は民に呼びかけられる。「恐れるな、わたしはあなたを贖う。あなたはわたしのもの。わたしはあなたの名を呼ぶ」。贖うとは身代金を支払って買い戻すことである。神はそのように自ら大きな犠牲を払って罪のイスラエルを贖い救われるのである。やがて神は、キリストの死という代価をあの十字架に支払われて、全ての人間の罪を赦して贖いを成し遂げられるのである。ここに真の救いが実現した。