2022年12月25日

説教題 「あなたのために救い主がお生まれになった」寺島謙牧師

ルカによる福音書2章8~20節

 救い主誕生の知らせを最初に聞いたのは、夜通し羊の群の番をしていた羊飼い達であった。主の栄光に照らされ、非常に恐れた羊飼い達に、主の天使は「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった」と告げた。天使は羊飼い達のことを「あなたがたのために」と複数形で呼んだ。だがこれは厳密に言うと「あなたのために」である。クリスマスは、この私のために、神が救い主をお送り下さった喜びの時である。その救い主こそ、布に包まって飼い葉桶の中に眠っている乳飲み子に他ならない。天使は、「これがあなたがたへのしるしである」と言った。乳飲み子のお姿でお生まれになった救い主は、一人の人間として生き、遂には十字架の上で贖罪の死を遂げられた。その十字架の死が明らかにしていることは、神がおられる天と人間が生きる地上が一つになったという事実である。「いと高きところに栄光、神にあれ、地には平和、御心に適う人にあれ」と天使は告げた。神は御子を世に与え、全ての者が神を知り、神が共におられるという救いに与らせることを約束されたのである。