2023年10月15日

説教題 「あなた方がその枝である」小林秀樹牧師

ヨハネによる福音書15章1~17節

 使徒パウロがトロアスの教会を訪ねたときの光景である。「週の初めの日に、わたしたちがパンをさくために集まった時、パウロは翌日出発することにしていたので、しきりに人々と語り合い、夜中まで語り続けた。わたしたちが集まっていた屋上の間には、あかりがたくさんともしてあった」(使徒言行録20章7節)。過の初めの日、日曜日、まだ朝から礼拝ができたわけではないのであろう。一日働いた人々が使徒たちを迎えて主の晩餐を祝い、夜を徹して語り合った。み言葉を聴き、信仰の戦いについて語りあったのであろう。18節以下に記されておりエフェソの教会の長老たちに語った言葉と同じ言葉も語られたかもしれない。あまりの長話に、労働の疲れも出たのか、眠りこけて三階から落ち、一度死んでしまった者さえ出た。教会の集会で居眠りをしてその名が記された青年の名はエウティコ。私はこの集会の光景をよく思い描く。寝静まった古代の港町トロアス、その闇の中に、あかあかとたくさんのあかりをともしている一軒の家、これが今も生きる私たち教会の姿ではないか。暗夜にあかあかと燃えるともしび、それは私たちの存在そのものでもあるのではないか。