み言葉のそそぎ 説教題「安らかな死を与えてくださる神」
創世記35章27~29節 寺島謙牧師
創世記35章27~29節には、族長の-人イサクの死と埋葬の場面が書かれている。「イサクの生涯は百八十年であった」と聖書にあるが、イサクの生涯は父アブラハム、そして息子のヤコブと比べると地味であった。だがイサクの歩んだ道程は波乱と苦難に満ちていた。イサクは幼少の頃、父アブラハムの手によって焼き尽くす献げ物として屠られそうになる体験をした。神の命令とはいえ、実の父親から命を奪われそうになったこの出来事は生涯、イサクの心に暗い影を落としていたに違いない。また飢饉が起こり一家でゲラルという場所に滞在していた時は、井戸を巡ってペリシテ人達との間に争いが生じ、命が危険に晒された。また長男エサウと次男ヤコブとの争いが起こりイサクは父親として悩み苦しみ傷ついた。だがそのイサクが「息を引き取り、高齢のうちに満ち足りて死に、先祖の列に加えられた」というのである。これは単にイサクが長寿を全うしたということではない。イサクの生涯の全部を神が祝福し、平安の内に導かれたということである。私達をこの神の御支配の中に招き、祝福に満ちた命に与らせて下さるために、神の独り子であるイエス・キリストが十字架の死と復活によって救いの道を開いて下さった。