説教題 「あなたがたは皆、わたしに躓く」寺島謙牧師
マルコによる福音書14章27~31節
「あなたがたは皆わたしに躓く」と主イエスは、12人の弟子達に告げた。「躓く」というのは、「打たれる、捨てられる、散らされる」という意味であるが、主イエスの弟子達は皆、打ち砕かれて主の御前から散らされてしまうというのである。しかもそのようになさるのは、神御自身であることが引用されたゼカリヤ書の言葉によって明らかにされている。「わたしは羊飼いを打つ。すると、羊は散ってしまう」。弟子達は皆、主を愛し慕っていた。彼らは家を捨て家族を捨てて主に従って来た。だが彼らが主に期待していたのは、属国に成り下がっているユダヤの国をローマの支配から解放する政治的指導者としての救い主であった。そのような弟子達の人間的な期待を打ち砕くために、神は主イエスを十字架にかけて、彼らを散らされる。そして人間を真実に生かし、これを救うことが出来るのは、神以外にはないことを明らかにするために、キリストの十字架の購いの死と復活へと彼らを導かれる。主の十字架と復活こそ、全ての人間を救う神の御業に他ならない。