2022年7月10日

み言葉のそそぎ 説教題 「罪びとを招くために」 寺島謙牧師

ルカによる福音書 5章27~32節

 

 徴税人のレビがキリストと出会った物語である。徴税人は、ローマ帝国の手先となって同胞のユダヤ人達から税金を徴収することを生業としていた。従って徴税人は、すこぶる評判が悪かった。そのレビを主はじっとご覧になられると、「わたしに従いなさい」とお命じになられた。この主の言葉は、レビという一人の人間の存在そのものを引き受けて救おうとする、神の言葉に他ならなかった。だからレビは「何もかも捨てて立ち上がり、イエスに従った」のである。誰からも信頼されず、それどころか、忌み嫌われ耐えがたい孤独と不安を抱え、そして神からも見捨てられたと思い絶望に瀕していた一人の罪人を神は御自分の方から近づいて来られ、罪を赦し、「あなたを私は救う。そしてあなたと一緒に生きる」と約束されたのである。そして主は、レビのように救われた者を用いて全ての罪人を御自分の元に招かれる。「わたしが来たのは、正しい人を招くためでは泣く、罪人を招いて悔い改めさせるためである」。