6月9日

み言葉のそそぎ 説教題「神の国はこのような者たちのものである」 

マルコによる福音書10章13~16節 寺島謙牧師

 主イエスに触れて頂くために、人々が子供達を連れて来た。ユダヤの国では、ラビ(教師)に子供に手を置いて貰い、祝福を受けることが一般的なことであった。だが弟子達は人々を叱った。この「叱った」という言葉は、「子供を遠ざける、または子供を連れて来た大人を不見織だとなじる」という意味である。つまり弟子達は、子供達は主イ主スの前に相応しくない、取るに足りない存在だと考えたのである。だがこれを御覧になった主は憤られた。そして言われた。「子供たちをわたしのところに来させなさい。妨げてはならない。神の国はこのような者たちのものである」。主の憤りは、ご自分の元に来ようとする子供達を、弟子達が妨げたことにあった。そして、そのことは何よりも神の国に至る救いの道を閉ざそうとしたことに、主の憤りの沸点があった。神の国とは、神の支配、力である。人間は子供であろうと大人であろうが皆、神の支配から離れた罪人である。だが神はご自分の方から罪人を捜し求め、これを赦して御自分の支配の中にもう-度受け入れて下さった。それがキリストの十字架である。主の十字架によって罪を赦されない者は一人もいない。そうして神は、赦された者を抱き上げ祝福し、限りない命こ与らせる。