説教題 「聖霊への信頼」磯村滋宏役員
ルカによる福音書12章10節
植村正久牧師が伝道について語った言葉がある。西洋の神学を学んで日本の伝道者もいろいろな知織を得たが、畑で水泳を論じるような講釈ばかりでほんものの伝道になっていないのではないかと批判する。特に注意すべきは説教の調子にぞある。多くは基督如何にして人を救うや、信仰は如何にせば養われるるや等の順序方法を分解的に講釈するに止まり、基督自身を紹介して、其の恵を真正面より宣伝して人に信仰を催す気合い乏しと謂わざるべからず。庸医が病人の傍らにて病理解剖の講釈のみ事とするに同じ。余輩は説教及び凡ての伝道が今一段直接になりて、切に人を勧め誘う分子多からんことを望む。即ち人を教えんとするよりも、寧ろ人を悔い改めに導かんと試みるものならざるべからず。これは伝道、そして説教の急所を突く言葉であり、私が片時も忘れたことのない先達の言葉である。「そして、シモンをイエスのところに連れて行った」(ヨハネ1:42)。そして主を紹介する。今自分たちと共に生きていてくださる愛する主を紹介する。それ以外に私たちにすることはない。(「み言葉の放つ光に生かされて」 加藤常昭著より引用)