エジプトの地で430年間、ファラオの奴隷として虐げられていたイスラエルの民を神は救うことを決意された。モーセに導かれてエジプト脱出を目指してここまで進んで来たイスラエルであったが、神はモーセを通して引き返して、バアル・ツェフォンと呼ばれる場所に宿営するように命じた。そこは葦の海に面した荒れ野であった。その時、ファラオはイスラエルを解放したことを後悔し、民を追跡するために派遣された先鋭部隊がイスラエルの背後に襲いかかろうとしていた。絶体絶命の危機である。民は非常に恐れ混乱した。しかしモーセは言った。「恐れてはならない。落ち着いて、今日、あなたたちのために行われる主の救いを見なさい。‥・主があなたたちのために戦われる。あなたは静かにしていなさい」。神が、イスラエルに代わって戦われる。神がいかなる時も共におられ、助け導いておられることを民が信じるようになるために、彼らを敢えて試練の中に置かれたのである。