マタイによる福音書には占星術の学者たちと書かれていますが、これは聖誕劇でも、一般的にも広く親しまれている「三人の博士」たちのことです。ユダヤの国からずっと遠くの東の国に、夜空を見上げて星を観察している博士たちがいました。夜の間の星の動き、季節によっても違う星やその数を熱心に観察して、これから起こることを予測したりする偉い博士たちでした。あるとき、博士たちは今まで見たこともないような明るく光る大きな星を見つけたのです。不思議に思って持っている本や資料などを調べてみました。すると、その星は救い主が生まれるしるしであるということ、その救い主は「ユダヤの王」として生まれることがわかったのです。
そこで、三人の博士たちは東の国からラクダに乗り、星に導かれてユダヤの国を目指して旅に出たのでした。広い砂漠を越え暗い谷間を抜け、辛い旅路を経てはるばるエルサレムの都までやってきました。博士たちはまず王宮に向かい、そのころのユダヤの王であったヘロデ大王と会いました。博士たちは「ユダヤ人の王としてお生まれになった方はどこにおられますか?わたしたちは東の国でその方の星を見たので、拝みにやって来たのです。」と言いました。これを聞いたヘロデ王は「新しい王が生まれただと?許せない。王はわたし一人だ!」と心の中で思いました。自分の地位が危うくなると不安になりました。ヘロデ王だけでなくエルサレムの人々も長い間待っていた救い主が生まれたというのに喜ぶどころか不安になったのでした。ヘロデ王は聖書をよく学んでいる、ユダヤ教の祭司長や律法学者を集めました。そして救い主はどこに生まれることになっているか聞きました。すると救い主はユダヤのベツレヘムに誕生すると預言されていることがわかりました。ヘロデ王は博士たちをひそかに呼び寄せて、不思議な星が現れた時期を確認しました。そして「行ってその子のことを詳しく調べ、その子が見つかったら知らせてくれ。わたしも行って拝もう」と言って博士たちを送り出しました。恐れや不安に囚われているヘロデ王は拝みに行くつもりなどありませんでした。新しい王が見つかったら殺してしまおうと考えていたのです。ヘロデ王も、そしてエルサレムの人々、祭司長や律法学者も博士たちと一緒に行って新しい王を拝もうとしませんでした。博士たちを通して救い主の誕生を知らされたのに、神さまのみこころに聞き従おうとしなかったのです。
博士たちが王宮を出て夜空を見上げると、あの不思議に光る星がベツレヘムに向かって案内するように進みました。星は博士たちを導き、赤ちゃんイエスさまがおられる場所でぴたりと止まりました。博士たちは美しく輝きを増す星を見て喜びにあふれました。家の中に入るとイエスさまはお母さんのマリアと一緒におられました。博士たちはイエスさまにひれ伏して拝み、高価な宝物である黄金、没薬、乳香をおささげしました。「やっと新しい王さまにお会いすることができました。」と、救い主を礼拝するという、なによりのうれしさにひれ伏し拝んだのです。「今までの王とは違う、神さまが遣わしてくださったまことの平和をつくる王さまです!」と、神さまが与えてくださった贈り物に強く心を打たれ、豊かな恵みを喜び、心から感謝しておささげしたのでした。自分たちの大切にしている宝物をおささげせずにはおられなかったのです。その後、博士たちは夢でお告げがあったため、ヘロデ王の王宮には寄らずに別の道を通って自分たちの国に帰ったのでした。
神さまは三人の博士たちに、もっとも関心のある星を用いて、イエスさまのもとへと導いてくださいました。ユダヤ以外に住む異邦人たちにも神さまは救い主の誕生を知らせてくださり、礼拝へと導いてくださった。イエスさまの成し遂げてくださる罪からの救いはユダヤ人だけでなく異邦人たちのための御業でもあるのです。イエスさまはヘロデ大王のような民を殺す王ではなく、民のために命をささげるまことの王なのです。わたしたちもこうして三人の博士たちのように導かれ、いっしょにイエスさまを礼拝しているのです。新しい年も博士たちと同じく、神さまからのすばらしい贈り物を知り、喜びに満たされて感謝して礼拝をささげたいと思います。そして自分の大切な宝物をささげていきたいですね。
