一人の盲人を主イエスが癒された物語である。この人は生まれつき目が見えなかった。それで主の弟子達は尋ねた。「ラビ、この人が生まれつき目が見えないのは、だれが罪を犯したからですか，本人ですか。それとも両親ですか」。この人の目が何故生まれつき見えなかったのか、その理由について誰も答えることが出来なかった。だから弟子達は、因果応報的な考えに基づいて本人の責任なのか、それとも両親の責任なのかと主に尋ねた。「何故なのか、どうしてこのようなことが自分の身に、家族の身に起きてしまったのか」、我々はそう問わざるを得ない過酷な現実と向き合わせられることがある。だがこの切実な問いに答えてくれるものは何一つない。しかしただお一人、この間いに答えることのお出来になる方がおられた。それがイエス・キリストである。主は「神の業がこの人に現れるためである」と答えられた。人間の命を造られた天の父なる神の御業が、この目の見えない人の中に起こされる。人間の常識を越えた神の業が働く。神がこの人と共に歩まれ、その命を祝福して生きる喜びと希望を与えられることを約束された。そのために神は、独り子のイエスを世に遣わし、十字架の死によって真の救いを実現されたのである。