今年も待降節が近づいてきた。毎年こうして主イエス・キリストの御降誕を祝うクリスマスを待ち望みつつ歩んでいるのであるが、改めてクリスマスをどのような姿勢で待ち望み迎えねばならないか、マリアの信仰を通して確認したい。神から遣わされた天使ガブリエルの挨拶を受けたマリアは戸惑い考え込んだ。さらに受胎告知に話しが及ぶとマリアは非常に恐れ、大きな不安を抱かざるを得なかった。クリスマスの出来事は、このマリアの姿が表しているようにあり得ない事、起こり得ないこととして起こった出来事であった。そしてそれは人間のカではどうにもならないことであり全く望みを見出せない現実であった。クリスマスによって神が人間を救うことを決心されたのであるが、神の御心、愛を何一つ知り得なかったところに人間の深い罪があり絶望があったのである。だがマリアは、天使が最初に告げた「主があなたと共におられる」という御言葉に自らを明け渡し委ねることによって、クリスマスを待ち望む者に整えられていったのである。「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように」。このマリアの信仰に倣いたい。