み言葉のそそぎ 説教題「神の御心に従って」 寺島 謙 牧師
ローマ総督フェリクスの後任者ポルキウス・フェストゥスが赴任した後もパウロは監禁されたままであった。そこで祭司長達とユダヤ人の主だった人々は、フェストゥスにパウロをカイサリアからエルサレムへ送り返すように訴え出た。彼らは、その途中でパウロを暗殺しようと企んでいたのである。だがフェストゥスは、ユダヤ人達の訴えを受け入れず、もしパウロに不都合なところがあるのなら、カイサリアへ下って来て告発するようにと命じた。それから十日ほど経った後、フェストゥスは、パウロを牢から引き出すと裁判を始めた。エルサレムから下って来たユダヤ人達がパウロを取り囲み訴えたが、有罪であることを立証することが出来なかった。これに対し、パウロは身の潔白を立証するために弁明を始めた。フェストゥスはパウロの弁明の信憑性が高いことを悟り、ユダヤ人の訴えに抗するためにエルサレムへ戻ることを望んでいるか尋ねた。パウロはエルサレムへ戻ること拒否し、真実が明らかにされるためにローマの皇帝に上訴することを求めた。パウロの心には、復活の主が告げた言葉があった。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証しをしなければならない」(23:11)