2022年11月6日

説教題 「わたしたちの国籍は天にある」寺島謙牧師

フィリピの信徒への手紙 3章17~21節

「わたしたちの本国は天にあります」と今朝の聖書に書かれている。古い聖書では「わたしたちの国籍は天にある」と訳されていたが、「本国」も「国籍」どちらも「属する」という意味を含む。そしてこの言葉が明らかにしていることは、私達人間の命と生涯の一切が天に属しているという宣言に他ならない。すると天は何を指しているかというと、天におられるただお一人の神である。天地を創造し世界を治め、我々人間をかけがえのない尊い存在として愛し共に生きることを決意された神こそ、我々の帰るべき本国である。我々が生きるこの地上の営みの中には、幾つもの苦難や艱難、苦しみや悲しみがある。誰もが山あり谷ありの人生の道程を辿らなければならない。だが神に我々の国籍があるということは、その一足一足が神の確かな御手の中に置かれ守られ、天の国を目指して歩ませられているということである。そのしるしこそ、キリストの十字架に他ならない。神はその独り子をお与えになられたほどに、我々罪人を赦して救い、天に国籍を持つ者として生かそうとする、憐れみに満ちたお方である。