「聖霊によらなければ」
寺島謙牧師
コリントの信徒への手紙Ⅰ 12章1~3節
ユダヤの五旬祭の日、すなわち主イエス・キリストの甦りから50日目(ペンテコステ)に、天より聖霊が使徒達の上に降った。いわゆる聖霊降臨日であるが、使徒パウロは聖蓋降臨を「霊的な賜物」が信じる者達一人一人に与えられた出来事として認識する。かつてコリントの教会の信徒達が異教徒であった時、「誘われるままに、ものの言えない偶像のもとに連れて行かれた」ことをパウロは彼らに思い起こさせた。人間は被造物である故に、依り頼むものがなければ生きてはゆけぬ。だがそれが何であるか、人間は分からずに生きていた。コリントの信徒達が誘われるままに連れて行かれた「ものの言えぬ偶像」とは、人間を救うことの出来ない作りモノである。人間を真実に生かすために救うことが出来るのは、天の父なる神お一人だけである。その神が人間を救うために人となって天より降って来られた。それがイエス・キリストである。聖霊は、「神から出た霊」である(Ⅰヨハネ4:1)。この聖霊の助けによって私達は初めてイエスはキリスト、救い主、神であると信じて言い表すことが出来る。このように神は聖霊によって人間を救いへと導く。