4月7日

み言葉のそそぎ 説教題「復活の希望に生きる」 寺島 謙 牧師

 今日の聖書の舞台は、地中海沿岸に面した都市カイサリアである。ここで使徒パウロは、ローマ総督フェリクスの前で裁判にかけられていた。パウロがエルサレム神殿にいた時、アジア州から来ていたユダヤ人達に扇動された民衆達によって、神殿の境内から引きずり出されるという事件が起こった。事態を収拾するため、ローマの千人隊長はパウロを逮捕したが、パウロがローマの市民であることが判明した。恐れを感じた千人隊長は、パウロの裁判をユダヤの最高法院に委ね責任を転嫁しようとしたが、パウロ暗殺の企てを知り急遽、総督フェリクスの元にパウロを護送したのである。ユダヤ人達はテルティロという弁護士を伴い、パウロを訴えるためにやって来た。しかしパウロは、訴える者達とローマ総督の前で、自らの潔白を述べた。さらに「正しい者も正しくない者もやがて復活するという希望を、神に対して抱いています」と告白した。何度も命の危険に晒されながら伝道を続けたパウロが、宣べ伝えた神は、「悪人にも善人にも太陽を昇らせ、正しい者にも正しくない者にも雨を降らせ」(マタイ5:45)、全ての者を、御自分の子とされる愛と憐れみに富みたもう天の父なる神である。