10月20日

「イエス・キリストの誕生 」
10月20日礼拝説教 寺島謙牧師
マタイによる福音書 1章18~25節


 福音書記者マタイは、「イエス・キリストの系図」に続いて、イエス・キリストの誕生の次第について語り始める。母マリアはヨセフと婚約していたが、二人が-緒になる前に「聖霊」によって身ごもっていることが明らかとなった。聖霊は神の力、働きである。つまり救い主の誕生は、神の御業であり、神の一方的な介入による出来事だということである。それ故に、この出来事の前に人間はたじろぎ恐れ惑う他ないことをマタイは、夫ヨセフの姿を通して明らかにしている。ヨセフは苦悩したに違いない。だが彼は「正しい人」であったので、何が最も良い道であるかを熟慮した上で、マリアと密かに縁を切ることを決意した。しかし依然としてヨセフに苦悩があり、大きな悲しみがあった。ヨセフは深い孤独と絶望の中に置かれていた。しかし神は天使を通して「ダビデの子ヨセフ、恐れず妻マリアを迎え入れなさい。この子は自分の民を罪から救うからである」と告げた。そしてマリアの身に起きていることは、イザヤが預言した神の言葉が実現するためであることを知らせた。「インマヌエル、神は我々と共におられる」。神に背いた罪人である人間を赦して救うために、神は人間の姿を取られて、その直中に来て下さった。そして我々と共に歩まれる救い主となられた。