4月14日

み言葉のそそぎ 説教題「試練の中にあっても」 寺島 謙 牧師

 パウロの弁明は続いた。パウロは改めて自らの潔白を証明するために、エルサレムを訪れていた理由を丁寧に話した。まずパウロは異邦人教会から献げられた献金を同胞に届けるためにエルサレムを訪ねていたことを明らかにした。そして供え物を捧げるために神殿にいたところをアジア州から来ていたユダヤ人達に見られただけで、決してエルサレムで民衆を扇動して反乱を起こすような重罪を犯していないと訴えた。ただ「死者の復活のことで、私は今日あなたがたの前で裁判にかけられているのだ」と叫んだだけなのだと言うのである。パウロは、十字架の上で死なれ、三日目に葬られた墓より甦ったイエス、すなわちナザレ出身のイエスこそ、真の救い主、キリストを宣べ伝えたために、自分は捕らえられ、裁判にかけられたというのである。つまりこのパウロの裁判の出来事の背後には、福音によって人間の罪を赦してこれを救おうとする神の深い御意志が働いていたのである。その神の力によって復活させられた主イエスがパウロと共にこの試練の時も歩んで下さった。そしてパウロを励まし助けたのである。「勇気を出せ。エルサレムでわたしのことを力強く証ししたように、ローマでも証ししなければならない」と。