説教題 「シメオンの信仰」寺島謙牧師
ルカによる福音書 2章22~35節
シメオンという人物がいた。正しい信仰深い人でイスラエルが慰められるのを待ち望んでいた。イスラエルが慰められるとは、イスラ土ルの救いが実現することを意味する。イスラエルは神が全ての人間を救うために選ばれた神の民である。だがイスラエルは神に背き敵対し罪を犯し神の怒りと裁きによって、あるときは祖国を失い捕囚という厳しい現実を味わった。そして今、ユダヤという小国となりローマの属国となっていた。だがシメオンは神がイスラエルを救うために救い主を与え、イスラエルの子孫ばかりでなく全ての人間が贖われることを信じていた。既にシメオンは高齢者であった。だが聖霊によって「主が遣わすメシアに会うまでは決して死なない」というお告げを受けていた。その救い主にシメオンは遂にお会いすることが出来た。シメオンはイエスと名付けられた幼子を腕に抱き、神を讃え、「この僕を安らかに去らせてくださいます。わたしはこの目であなたの救いを見たからです」と言った。シメオンは、この幼子が将来どのような仕方で神の救いを成し遂げるか知らなかった。だが聖霊の力によってイエスを主と信じ、喜びと感謝に溢れ救いを得ることが出来たのである。