説教題 「今日、あなたがたのために救い主がお生まれになった」寺島謙牧師
ルカによる福音書 2章1~20節
救い主誕生の知らせを最初に聞いたのは、一晩中羊の群れの番をしていた羊飼い達であった。彼らは言うなれば最下層に生きる人達であった。その羊飼いに天使が現れて、「あなたがたのために救い主がお生まれになった。この方こそ主メシアである」と告げた。「あなたがた」というのは羊飼い達のことだけではない。天使は最初に「恐れるな。わたしは、民全体に与えられる大きな喜びを告げる」と言った。つまりクリスマスの知らせがまず最下層の羊飼い達に届けられたのは、クリスマスの喜びからあぶれる人間は一人もいないこと知らせるためであった。そして天使は、羊飼い達に続けて言った。「あなたがたは、布にくるまって飼い葉桶の中に寝ている乳飲み子を見つけるであろう。これがあなたがたへのしるしである」。クリスマスは、神が私達と共に歩まれることを決意された恵みの時である。しかも罪によって命を失う他なかった人間を赦し救うために神はその独り子をお与えになった。そのしるしこそ、飼い葉桶の中に眠る乳飲み子である。これを信じる時、クリスマスの本当の喜びを知るのである。