説教題 「敵を愛し、迫害する者のために祈れ」寺島謙牧師
マタイによる福音書 5章43~48節
「あなたがたも聞いているとおり、『隣人を愛し、敵を憎め』と命じられている」と主イエスは人々に話し始められた。これは当時の社会では一般常識として認識されていた。だが主はこれに対してこう教えられた。「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈りなさい」。これを聞いた者の多くは、驚きと共に大きな違和感を覚えたに違いない。今を生きる我々にとっても同じ思いである。ウクライナでは今なお人間同士の殺し合いが続いている。敵を愛し、自分を迫害する者のためにどうして祈ることが出来ようか。だが突き詰めて考えると、この主の教えに従わなければ、人間同士の間に平和は実現しない。そして一人の人間が救われることもない。主はそこに我々の目を向けさせた。「あなたがたの天の父の子となるためである」。これが全ての人間が救われる唯一の道である。罪と死に滅ぶ他ない人間がただ十字架のキリストの恵みによって赦され、神の子とされた。この恵み感謝して信頼して生かされるとき、我々にも敵を愛し、迫害する者のために祈る力が与えられる。