み言葉のそそぎ 説教題「十字架に向かって進まれるイエス」 寺島謙牧師
マルコによる福音書10章32~34節
主イエスと弟子達がエルサレムに上って行く途中の出来事である。主は先頭に立って進んで行かれたのであるが、それを見た弟子達は驚き、従う者達は恐れたというのである。-体、弟子達は、どうして恐れたのであろうか。それはおそらく、主イエスが向かっているエルサレムに大変な苦難が待ち構えていることを彼らは悟っていたからであろう。実際に弟子達は、これまで二度も主から御自分の受難について聞かされていた。最初に主が話した時、一番弟子のペトロは主を脇にお連れして、いさめ始めたほどに主の受難予告は弟子達には受け入れがたいことであった。だが、いよいよその時が来たと思ったのである。それは弟子達にとっては絶望でしかなかった。だから恐れたのである。だが主はその恐れおののく弟子達に再び受難予告と復活について話された。十字架という絶望の向こう側に復活という神が備えられた救いがある。復活こそ、人を真実に生かす望みだというのである。ここに神の御心がある。