12月29日

「ナザレのイエス」
 12月29日礼拝説教 寺島謙牧師
  マタイによる福音書2章19~33節

 主イエスのクリスマスの出来事が起こった数年後のことである。救い主の誕生に恐れを抱き、その命を狙っていたへロデ王が死んだ。すると主の天使が、エジプトに避難していたヨセフの夢の中に現れて、こう命じた。「起きて、子供とその母親を連れ、イスラエルの地に行きなさい。この子の命をねらっていた者どもは、死んでしまった」。そこでヨセフは起きてすぐに、幼子と母親を連れてイスラエルの地へと帰った。だが、へロデの息子のアルケラオが、ユダヤの地を支配していることを聞いたヨセフは、恐れた。アルケラオはへロデ同様残忍な人物であったからである。すると再び天使がヨセフに現れたお告げがあったので、ヨセフはガリラヤ地方のナザレに住んだ。

 このように聖書は、天使の不思議な助けによって、救い主の命が守られ導かれたことを伝えているが、これは単に安全が守られたことを意味しているのではない。「彼はナザレの人と呼ばれる」という預言者の言葉が実現するためであった。神の御子が天より低きに降られ人となられた。そして全ての人間の罪を引き受けられて、あの十字架の死に至る苦難の御生涯がここから始まる。このナザレ出身のイエスこそ、人となられた真の神、キリストであると聖書は証言する。