「悲しみの中になおある希望」
12月1日礼拝説教 寺島謙牧師
マタイによる福音書2章13~18節
救い主を拝むために訪れていた占星術の学者連が帰って行った。すると主の天使が夢でヨセフに現れてこう告げた。「起きて、子供とその母親を連れて、エジプトに逃げ、わたしが告げるまで、そこにとどまっていなさい。ヘロデが、この子を探し出して殺そうとしている」。聖書は、救い主の命に危険が及んでいることを神が人間に知らせたと伝えている。そして人間は即座に神の御声に従ったと証言する。ヨセフは夜のうちに幼子とその母マリアを連れてユダヤのベツレヘムからエジプトへと立ち去った。そしてヘロデが死ぬまでそこに留まった。だがこれは単なる逃避行ではない。「わたしは、エジプトからわたしの子を呼び出した」という神の言葉が実現するためであった。これは神がイスラエルを奴隷の地エジプトから救われた出来事を想起しているが、クリスマスに誕生したこの乳飲み子は、人間を罪から救う真の救い主、キリストであることを証言しているのである。このことを聖書は、さらに預言者エレミヤの言葉によって深化させている。エレミヤの言葉は、捕囚の民として異国の地へ連行されていくイスラエル人を表している。その絶望の極みから人間を本当に救うことの出来る救い主が、神から遣わされたのである